治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


近距離戦において、行動に限定があることほど面倒なことはない。


攻めこもうにもあれ以上は進めず、逃げようにも逃げ切れない。


何より、彼は。


「ユリウス、絶対に俺に近づくな!巻き込まれないようにしてくれ!」


私を守りながら戦っている。


何度となく打ちつけられる十字架。

それにあわせて、迫り来る凶器に彼は自分の断頭台を打ちつけた。


巨大同士がぶつかり合う度に、落雷めいた音と衝撃が地面を伝って私の頭蓋骨を響かせるよう。


風など吹いてないのに、まるでそこに小さな台風があるみたいだ。


空気全てを斡旋するような打ち合いは、見ているだけで寿命を縮める。


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