治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「シブリールさん!」
「っ、ユリウス難しいかも、しれないが……っ。俺が攻め込んだら一歩進み、引いたら後退してくれ……!俺の動きになるべく合わせるようにっ」
息が切れた途切れた言葉で彼は言う。
二メートルの限定は小さかった。
ギリギリのところにいなければ、私が巻き込まれてしまうだろう。
私を守りきりたいがために、彼はせめてものお願いを出してくる。
今の彼は近距離戦には向いていない。
半径二メートルならば、直径にすれば四メートルになる。けど、“私の前にいなければならない”――守るものがある彼にとって、私は邪魔でしかなかった。
実際、二メートルもないだろう。
私と距離を保ちながら戦いを強いられて、岩石に立ち向かうあの彼には。