治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
まとまらない頭。
ただ前にある光景が、処理されていく。
私の前に立つ人は、私を守るためにそこにいて。
「シブリール、さん……あ、あっ、シブリールさんっ!」
私を守ろうとして右腕を犠牲にした人が地に膝をついた。
折れた右腕は、ぶらんぶらんと振り子のように可笑しな光景を生み出す。
その前には黒い大きな影。
「ユリウス、何を……!」
聞いた彼の声。
それに構わず、彼の前に立ちはだかったのは他でもない――
「もう、やめて……!」
私という足手まといだった。
私のせいで彼がこうなった。
何も出来なくても、守りたいと思ったから前に出た。
死体軍団と女王たる黒人の前に。
足手まといは足手まといのままだ。何か出きるんじゃないかと自惚れたわけでもない。
ただ、死体たちを操る女の子を見て思ったんだ。