治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
言いながら涙が出たのはなぜだったか。
アリスちゃんに言っているつもりなのに、私の頭は別のところに向いていた。
記憶の断片。
決定的な悲しみ。
欠けない悲しみは、忘れてはいけない苦しみだった。
「アリスちゃんのママは、こんなカタチで守りたいとは思っていない。冷たい腕で、アリスちゃんを抱きたいとは思っていない……!」
びくりとアリスちゃんが震えた。
同時に、黒人も反応する。
アリスちゃんの心でも体現するようによろよろと後退していった。
――ただ。
「お姉ちゃん、邪魔しないで……。ママのお願いは、アリスが一番知っているんだから」
死体軍団は止まってはいなかった。
ユリウスっ、と彼が私の手を引き、自分の後ろに立たせた。
左腕だけで断頭台をあげる。
そうして振り回すわけだが。
彼は刃を振るう度に悲鳴をあげていた。