治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


手のひらを出す。


「残酷に殺されたいらしいな」


近場にいた死体に手を向けて。


【収集、落下。流れる風、留まる空気。流れを下へ下へ。頭から足へ。押して、潰して、紙になれ】


向けた手を下げる。


――そこで、耳に異常が出た。


詰まるような微かな違和感。水が耳に詰まったときの感じに似ていて。


異常の出どころは、一体の死体から。



潰れた。
それ以上の表現が思いつかない。


岩石が上から落ちてきたでは生ぬるい。


体が“圧縮”されたという状態。


紙になれと魔の音色は歌った。


正に命令通り。
厚みがある人が、数ミリしかない個体に変わったこの異常さ。


【一、二、三、四】


数字を数えれば、提示した通りに“紙”が増える。


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