治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
支える台だけがそっくりそのままなくなり、台となっていたのはクロスであった。
そのクロスがティータイム一式を乗せたまま伸びる。
どんな仕組みかは知らない。ただ円形状だったテーブルが、長方形になったという変貌が確かにあった。
長いテーブル。
会議でもやるのかというほどに広い。
こっそりとクロスの下を覗いてみたが、やはり下には支える支柱というのがなかった。
浮いている布のくせにがっちりしている。
なんなんだこれはと思っても、皆はいたって普通だった。
テーブルを準備するなり、椅子に座るラグナロク様。
「おや、アリス。そなたの母君はどうした。見あたらぬようだが」
「………。ママは、もう起きないの」
「起きないとな。そんなはずはあるまい。そなたの母君は、そなたが望むままに――」
「起こさない。ママはアリスを守ってくれた。だから休ませるの。ゆっくりゆっくり、ずっと。
アリスが無理やり起こして、ママいっぱい疲れたから、もう起こさないの。
ママが起きなくても、アリスは頑張れる。起きなくても、ママはアリスとずっと一緒なの」