治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


支える台だけがそっくりそのままなくなり、台となっていたのはクロスであった。


そのクロスがティータイム一式を乗せたまま伸びる。


どんな仕組みかは知らない。ただ円形状だったテーブルが、長方形になったという変貌が確かにあった。


長いテーブル。
会議でもやるのかというほどに広い。


こっそりとクロスの下を覗いてみたが、やはり下には支える支柱というのがなかった。


浮いている布のくせにがっちりしている。


なんなんだこれはと思っても、皆はいたって普通だった。


テーブルを準備するなり、椅子に座るラグナロク様。


「おや、アリス。そなたの母君はどうした。見あたらぬようだが」


「………。ママは、もう起きないの」


「起きないとな。そんなはずはあるまい。そなたの母君は、そなたが望むままに――」


「起こさない。ママはアリスを守ってくれた。だから休ませるの。ゆっくりゆっくり、ずっと。

アリスが無理やり起こして、ママいっぱい疲れたから、もう起こさないの。

ママが起きなくても、アリスは頑張れる。起きなくても、ママはアリスとずっと一緒なの」


< 275 / 411 >

この作品をシェア

pagetop