治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「ほう……」
関心深げな顔をし、ラグナロク様はアリスの頭を撫でた。
「よう決心したものだ。人間、思い出からは逃れられぬものというのに。そなたはどうやら、置いてきたようだな。
思い出に縛られず、思い出と共に生きていけるとは。少し見ない内に随分と成長したものだ」
ちらりとラグナロク様がこちらを見た。
全てを見透かすような目が、私の頭の中を見ているようで軽く肩をすくませてしまう。
「ウサギのぬいぐるみは、あの娘に直してもらったのかえ?」
「うんっ。ユーリお姉ちゃんが、おさいほーしたの」
きゃぴきゃぴ言ってくれたアリスだが、直した私はあまり触れないで欲しかった。
何せ、完璧じゃない。
ほつれ部分を直すも、かなりの年月が経っている。色が薄れていて、同じ色の生地がなく、直した部分は目立つ。
ウサ耳部分も頑張ったが、やはり後からつけたものは、前からある耳に比べてちぐはぐなもの。