治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
しゃべる前に、話しかけられた。
名前を聞かれて――多分は、アリスがそう呼んでいたのでラグナロク様はユーリと言ったんだろう。
「あ、いえ。フルネームは、ユリウス・ステリウス。でも、ユーリと呼んでもらった方が私は好きなんですが」
「そうか。では、余もユーリとしよう。で、だ、ユーリ。
本来ならば、この“箱庭”の主たる余は、招かれた客人をもてなす義務があり、余とて、そなたという異質を歓迎したいと思っておるが」
話す中、ラグナロク様の目がシブリールさんに移った。
「まずはそこの男と話させてほしい。いや、なにぶん、死んだと思った男が、足はやしてやってきたなんだ。
これは祝いの言葉でも送りたいもの。それなりの縁がそこの一匹と繋がっておってな。
余も感情があるため、生き長らえた生物と少しばかり話しがしたい」