治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


言葉は生きて帰ってきた彼と話したいと言っていたが、話す目が明らかに意地悪的な瞳。


にぃ、と目と口を吊り上げて、魚を見つけ出した黒猫のようだった。


彼とてその眼差しに気づき。


「よくもぬけぬけと。ああ、ボケが始まったのですね。殺し損ねた人間に、そんなことを言えるのは常識で考えられませんから」


受けて立つ、というような声色でラグナロク様に答えた。


「ふふ、覚えておるさぁ。忘れるわけがない。あるわけがなかろう。小生意気な奴が、瀕死の状態ながらも逃げ仰せたあのひどく無様な場面を」


「……、チッ」


彼の舌打ち。
でも今度は引き下がるつもりはなく、ラグナロク様とは目が合わせたままだった。


これはよい、といった感じでラグナロク様が彼と『対話』しようと指を重ねた。


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