治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


何よりも、『俺の体中に開けた穴ぼこ』のセリフであることを思い出す。



森で死にそうになっていた男。


一ヶ月前のことだが、その傷の出どころは未だに聞いていなかった。


憶測に過ぎないが、聞いてみてもいいかなと彼にこそりと言ってみた。


「シブリールさんが森で倒れていたのって……」


「………」


ため息、言いたくないがしょうがないとした感じで彼が口を開く。


「あのババアにやられた。いきなりアフロディーテを返せと言うのだから、誰だって抗うだろう。

その抵抗の結果が、アレだ」


過去の汚点でも語るように彼は嫌そうだった。


ラグナロク様は聞いていて楽しそうだけど。


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