治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
胸元あたりに手を置いた彼。もう完治はしているが、穴が開いていたのは私だって覚えている。
忘れられるはずがない。そも、体に穴があった時点で死んでいるはずなのに。確かに生きていた人。
じっと見つめれば、彼が私と目を合わせる。
真剣そうな眼差しで。
「ユリウスぅ、君は俺の女神様なんだよー」
「どさくさ紛れで引っ付かないで下さい!」
言葉は変態だった。
彼を助けたことに後悔は……ない、と仮にしてもこうなることは望んでいない。
迫り来る体を身の安全がために、致し方がなく拳で飛ばす。
よろめく彼だが、二メートルの限定でぴたりと止まった。
「過激だ……っ、SMプレイがやはり好きなんだね、君は」
「好きじゃないっ。正当防衛に変態要素を交えないで下さい!」