治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「ユリウス、止めた方がいいって。このババアがやすやすと魔道書を渡すわけがないんだから。ねえ、ババア……失礼、ラグナロク」
「いずれその舌を豚の餌にしてやろうぞ、シブリール。だが、その男の言うとおりだ。余の魔導書はやすやす渡せぬ」
「そんな……!見せてもらうだけでもいいんです。お願いします!」
「すまぬな、ユーリよ。見せることも出来ない代物なのだ。――それでも尚、見たいと言うならば、あることをすればいい」
「ある、こと……」
「なあに、簡単なこと。魔導書を持つ持ち主から奪えば良いのだ」
「言ってくれるなぁ。魔導書を持つ主よ。お前を殺せばいいだなんて……俺たちに自害しろと言っているものだが」
「自害などするつもりがないくせに何をほざくか。目が言っておるぞ。前の恥辱を晴らしたい、と」