治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
俺はそれに従おうというのが分かりやすい。
願いごと。欲しいもの。
喉に言葉を詰まらせて、こくりと喉を動かした。
「私はアフロディーテの魔導書が欲しいです。あなたと離れられるために」
「そう、か……」
「でも、その過程であなたが危険になるようならばいらない。絶対」
付け足した部分に彼が少し目を見開く。
付け足しをいれたのにもわけがあった。
アフロディーテを手に入れるならば、ラグナロク様を相手にしなければならない。
彼は一度、負けたんだ。
世界の終焉たる災厄。
魔導師の最高峰。
世界の管理者。
数多ある呼び名は、彼女の力を表している。
それに習えば、限定がある今の彼が、ラグナロク様に向かうのは危ないと感じた。