治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


攻撃が防御となった時、彼は刃を振り回しながら。


【地獄の第二拷問。地を割り、天を裂き、肉をえぐれ】


詠唱を続けた。
少しでも相手を上回るようにと、休むまもなく。


【テメンニグル、召喚】


【“首ねじの小人”、召喚】



次の手を見せたのは、相手とて同じだった。


彼が出したのは、黒い針。


彼の前からずどずどと、生き物みたくラグナロク様のもとへいき――突き刺した。


『――――』


悲鳴。
人間のものじゃない悲鳴は、刺されたのは人ではなかったから。


ラグナロク様にたどり着く前、彼女の影から這い出た“紫のモノ”が数体、身代わりとなっていた。


うぎぃ、と虫とカエルが混ざった声を出して、串刺しのまま足をじたばたとさせている。


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