治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
胴体を刺されても生き長らえたそれを――後から出てきた同類が咀嚼(そしゃく)していた。
踊りぐいされる紫のモノ。
【群れてこい、首ねじ小人。餌がここに、おまえらの好物は余の前で、首を折って待っておる】
吐き気が出るような光景でも、ラグナロク様は変わらずに笑っていた。
詠唱。影からぞくぞくと、紫のモノが出てくる。
一メートルもない身長。服など着ていないのに、体は紫色。顔の造形、体の形は人型と同じというのに――悪夢でしか見られない化け物みたいだった。
「チッ、雑魚をわらわらと」
「余とて、こんな醜いのはごめんだ。だがしかし、Dランクとなればこんな知能がない奴らしか呼べん。
今、この状況で最適な化け物はこいつらだ。殺してやれ、シブリール。一匹が死にそうになるならば、余の影を伝い、いくらでもこいつらは群れてやってくるぞ。
力が抑えられた今、数での戦法は当たり前。雑魚は雑魚なりに集まり、身を寄せ合って強者の足前の石ころぐらいの役目は果たさせてやらなんだ。
この小人は、そなたと何も変わらぬ。ただ生きているだけの化け物ぞ」