治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


「……。同じ、か……」


「否定はしないか。ほほ、だが、余が否定してやろうか。そなたは着実に変わっておろう。後ろの娘で、な」


「っ……、ユリウス下がれっ」


大きな声。
そこで気づいた。

華麗なる魔術合戦で目を奪われていたが。


【赤いゆらめき、目に焼き付き、肌を焦がす】


ラグナロク様の目が、私に向いていたことに。


蒼い目と合う。
ルビー色に染まったと思えば――


「ユリウス、ユリウス……!」


「っ、あ……」



熱い。
熱い、熱くて、目が、体が、体内が。


崩れ落ち、胸元をかきむしる。

火傷ほどじゃないが、熱い湯船に体が入っているみたいだった。


「っ、は、あっ」


「腐れババアがっ、ユリウスを巻き込むな!」


「たかだか夢を見せているだけだ、死にはしないし、傷つきもしない。

にしても、そなたを丸め込んだ女だ。それなりの力を持っていると思ったんだが……すまなかったな」


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