治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
悶えるなか、パチンと指を鳴らす音を聞き――熱さが霧散した。
びっくりするぐらい急なことで、きょとんとしてしまう。
地に膝をついたままでいたら、シブリールさんが私に寄り添ってきた。
「大丈夫かっ、もう……っ、もう痛む場所とかはないか」
「あ、はい……どこも」
「目、見せて。刷り込まれた毒が残っていないか見るから」
顔を上げさせられた。
深い藍色の瞳が、心配そうに念入りに、私の目を見ている。
「今のって……」
「幻惑だ、ただの。人間の目から入り込み、脳を冒す毒」
話しながら、大丈夫だと彼は納得したようだった。
私を立たせて、化け物が群がる後ろにいる女王を彼は。
「切り刻む。刻んだ肉を釜ゆでにし、そこの醜い化け物の餌にしてやろう」
「まあそう怒るでない。余とて、こうなるのは予想していなくてな。魔の耐性もつけない娘だと思わなんだ。
未だにこの領域――我らの舞台にいるんだ。てっきり、己が身を守れるほどの力はあると勘違いしておった」