治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


明らかな邪魔。

私が欲しいと言い出して、二人に戦いまでさせたのに……私のせいで終わってしまう。


とんだ徒労だった。


ラグナロク様の表情は、笑ってはいるものの、どこか拍子抜けしたような印象を目元に感じる。


「さて、やめるか、シブリール。そなたが先に申し込んだんだ、選択権はそちらにある」


「…………いや、俺に選択権はない。俺に関することは、全て彼女が持っている。意味、尊厳、権利。人間が持ち合わせている俺の生価値は、彼女のものだ」


だから、とシブリールさんがこちらを向く。


決めてほしいだなんてよく分かった。


当たり前だと思う。シブリールさんが決闘を申し込んだとしても、理由は私のせいだ。


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