治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


訳も分からない光景だろうとも、数多の魔導を行使する魔女にとっては理解できた。


「限定をといたか。上手くできたものだ。ユーリの中の住人よ、意識の主人の入れ替えは構わぬが。肝心のユーリは無事かえ?」


「チッ、邪魔くさいババアだ。無事に決まっている。ただ、ユーリの意識を消しただけだ」


「意識を消すとは随分と軽い言い方だな。本来、主人より前に出てはいけない他意識が、こうして前に出ているんだ。

意識というよりは、“生きていく権利”を無くしたのだろう。

立場の逆転と、そなたは思ってイメージしたかもしれないが、間違えてはいけない。

魔術発生は、必ず、魔術師の願いを大前提として現実に起こる。

使う者の力量にもよるがな、そなたの場合は、出きる種族となろうに。

分かっておるのか。そなたがまた肉体を得て、己が体の時間を巻き戻すにはまず、主人を殺さなければならない」


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