治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
言われなくとも、とシブリールは断頭台を地に刺して、彼女を体を抱えあげた。
姫様扱いされるのは、やはり彼にとっての彼女は大切であったから。
律儀にも待ち続けるラグナロクに甘え、敵に背を向けた。
ここなら大丈夫だろうと離れた場所――バラの花が生い茂る地に彼は立ち止まる。
二、三、口を動かせば、――地が盛り上がる。
椅子なのか、見た目は悪いもそれらしい物体。見目の悪さは、バラを添えて補っているような閲覧席だった。
抱えた彼女を座らせる。
体の力がすべて抜けている彼女は、座りはするも、重い頭を深く下げ、だらしのない。
「必ずアフロディーテを君にあげよう。一ページだろうとも、ただの人間がこれを持つことは――ああ、人間の中で、神に近い存在となれる。
女神様という称号は、君に相応しい。美の最高峰でイメージされる女神様。あんなババアが持つよりは、君に与えたいからね」