治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


彼女から離れられた。


限定が解除されたのは、これでよく実感出きるが――力の縛りがあるのを感じる。


ユリウスとの限定が切れた今、彼を縛るのは、己が自身の強制。


ラグナロクと拮抗するためにした策。序盤にあった詠唱――呪文のせいで自分にまで呪いをかけていた。


今の自分は、呪いにかからなければならないほどの力を持っているがために。


力を千の一。詠唱の省略破棄。召還の制限。


限定があったシブリールにとっては、もうその状態に等しかったために、呪いなどかからなかったが。


「やはりな。もとから魔導を扱うものに、魔(呪い)など完全に効かないか」


じくじくと体を蝕むモノにそんな評価を下した。


今はもう、ラグナロクに顔を向けている。


目を背けている一時、何があったんだという変化があった。


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