治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
魔物どもが一斉にして体を動かしたのは仕方がない。
“こちらの方”が、怖かったのだから。
首をもがれる、殺される。そんな相手ももちろん怖かったが――魔物どもは主が“それ以上”の存在だと知っている。
前も後ろも助からない崖っぷち。
ならばと魔物たちは彼に向かったわけだが――やられることに変わりはない。
三種の器具を使いこなし、三種の拷問を執行する。
月明かり、藍色の世界での彼は覇者であった。
地獄絵図とはよくいったものの、異業種が殺されていくのはどんな殺人よりも醜かった。
――ただ。
【閉じ込め、潰し、串刺しに。女に抱かれ、果てるが良い】
花を添えるような魔女の声。
彼が僅かに恐怖したのもこの声があって――自分の影に大きい何かが覆い被さったから。