治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


背後。自分より巨大なものが出現した証拠。


「っ……!」


振り返ることはしない。

何の確認もしなかったのは、どうせ危険でしかないと分かっていたから。


前のめりとなるまで、前に出る。


ソレから離れたくて――しかし、邪魔が前に。


魔物が手を広げて待ち構えていたので。


「邪魔だ」


広げてあった脇をすり抜け、背中に一蹴。蹴られた際の衝撃で、無惨にも魔物は彼がいた位置――前へと転がり。



『――――』



喰われた。


ここで彼も、出現した物体を目の当たりにする。


正直、どう表現していいか分からなかった。


一見すればカエルのよう。がま口をくちゃくちゃとさせて咀嚼をしていた。


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