治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


一本のツタを這い上がるのはあっという間。燃える資材は一級品だったために、枝分かれするカエルの形成素材を全て巻き込んだ。


崩れるカエル。
魔物どもも、火に巻き込まれて。


「あなたの番だ」


残った者たちで、続きをしよう。


鎌を捨て、断頭台へ持ち替える。


シブリールが向かうは、最強の持ち主。


走るというよりは、跳躍といったほうがいい距離詰め。


地に足がつく前に、刃を振り上げ下ろす最中。


【風よ】


防護膜を張る魔女に。


【空気よ】


膜を圧する魔導師。


本来ならば、この程度の魔術に詠唱などいらない。そも、詠唱は、頭にあるイメージをより濃く形成する役目しかもたず、このような場合。


――ただ、相手を押したい。という単純な“体当たり”に、わざわざ深く考える必要はなかった。


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