治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


ならば、彼らがやっているのは“押し合い”だった。


上から空気で圧し、下から風で吹かせる。


決着などこれではつかない。対峙したままは愚かだと気づいたシブリールが、足を地に着け、後ろに下がり。


――また、跳躍した。


上からではなく、真横、一直線の突進。


上に吹き上げていた風の間を、くぐり抜け、風刃がごとく切り払おうとし。


【積み壁の玩具】


障害にぶつかった。


一歩というすれすれのところ。


ラグナロクの前に現れた、五角形の黒い鉄板が彼の刃の歯止めとなった。


一枚から、二枚。何もないところから、それこそ空間を歪めて出てくるそれらが壁となる。


大きさと言えば、シブリールより二回りも小さいもので、壁というよりは盾。


一枚の五角形が組み合わさり、三十で成り立つ、一つの五角形(盾)が出来上がっていた。


たまらずに彼がまた下がるのも当たり前。不確定要素は、まず見るに限る。


対策、対応、反撃。

どれもが、観察あってなりたつ必勝法だ。


< 335 / 411 >

この作品をシェア

pagetop