治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
ならば、彼らがやっているのは“押し合い”だった。
上から空気で圧し、下から風で吹かせる。
決着などこれではつかない。対峙したままは愚かだと気づいたシブリールが、足を地に着け、後ろに下がり。
――また、跳躍した。
上からではなく、真横、一直線の突進。
上に吹き上げていた風の間を、くぐり抜け、風刃がごとく切り払おうとし。
【積み壁の玩具】
障害にぶつかった。
一歩というすれすれのところ。
ラグナロクの前に現れた、五角形の黒い鉄板が彼の刃の歯止めとなった。
一枚から、二枚。何もないところから、それこそ空間を歪めて出てくるそれらが壁となる。
大きさと言えば、シブリールより二回りも小さいもので、壁というよりは盾。
一枚の五角形が組み合わさり、三十で成り立つ、一つの五角形(盾)が出来上がっていた。
たまらずに彼がまた下がるのも当たり前。不確定要素は、まず見るに限る。
対策、対応、反撃。
どれもが、観察あってなりたつ必勝法だ。