治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「っ、げ、は……!」
血反吐を吐く。
うつむき、首もとを押さえながら。
――否、首に刺さった異物を抜こうとしていた。
瞳孔を下に向ければ、首から真っ直ぐ正面に、おかしなものが“貫通”していた。
長いトゲ。
痛いのはそれのせい、血が出るのはそれのせい、意識がなくなりそうなのはそれのせい。
「ぁ……っ」
声帯が壊れた。
こうなる前に抜きたかったのに、トゲは抜けてはくれない。
吸盤の機能でもあったか、首の内側の肉に密着して離れず――あげく、血を吸っていた。
首から飛び散る血でさえ、傷口の血と繋がっていればじゅうじゅうと吸引していく。
よほど腹をすかせたか、またはうまかったかのどちらか。
体中の血液を飲み干すトゲが、それの正体だった。
後ろから前へ、こんな太く長い針を刺しただけでも死ぬというのに念入りな。
殺し尽くしたいらしいなと、彼は自分の前に立ちはだかる敵を睨みつけた。