治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


「滑稽だな、シブリール。自分で作った呪いにまんまとはめられおって。睨みつける目はなかなかに心地よいな。

己が愚かさを実感しても、まだ敵に噛みつきたいというその闘争心。

ほほ、それでこそ“補食草”が好む男だ。“最初から”、そのトゲはお前に恋い焦がれておったぞ」


意気揚々と語った魔女。

さも、最初からこれを狙っていたらしく、いざそうなってしまうと呆気なさすぎて笑ってしまうようだった。


ラグナロクは言った、シブリール自身が愚かであったと。


間違いなどその言葉にはない。


シブリールの責任と言えよう。


楽に自分を背後に回させた魔女を警戒すべきだった。やっておけば、自分の死角に潜んでいた凶器に気づけたのに。


最初、出されたときにきちんと殺すべきだった。だから、死んだと自分勝手に思い込んでいた、醜いアレにやられてしまうのだ。


二つほどあったシブリールの責任。だが、まだこれならば仕方がないと言えそうだが、到底、目を瞑ることは出来ない責任(愚かさ)があった。


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