治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「………ぁ」
声を出したのは、地面に顔面から卒倒したせい。
右手の指をピクピク動かし、左手は――動かない。
足に至っては左右とも。脳では動けと命令しているのに、神経が繋がっていないらしく命令を効いてはくれなかった。
化粧をした顔に、更に塗りたくられる赤色。
化粧が女を美しく飾るならば、血化粧は人間の最期を飾る。
体にあった血が、どばりとぶちまけられた。体という器はバケツに近いらしく、穴を空ければ無尽に流れ出るみたいだ。
いや、穴どころじゃない。
自分の体の異変は、痛みから理解する。
痛みの拠点は、左肩口から、右腰かけての“線”。
斜めにバッサリ。紙で例えるならば、ハサミで斜め切りをしたみたいで。