治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
喉にあった血の固まりを吐き出して、やっとラグナロクが声を出した。
「ユーリの中の住人となり、そなたはもう“死に知らず”だ。ふっ、ほほ、面白い、面白いぞ。
もとから死ねなかったお前が、更に傷ついても死ねなくなるとは」
「黙れ」
ラグナロクの右手が斬られた。
シブリールの機嫌を損ねたらしいが、別段、ラグナロクは気にせず話す。
「まあ、もっともの話だ。それはそなたにしては嬉しい事実かも知れんぞ。相思相愛だ、そなたはユーリに生かされておるんだよ」
「当たり前のことを、彼女と繋がり、存在が無くなった俺は不死だが……彼女が死ねば、死に失せる存在。体の共有は、生命の共有でもある。
彼女に傷がつかない限り、俺にも“傷がついた”という現象は起こらない」
未だに自分の答えを出す男には笑った。
間違えだらけ、ラグナロクが答えに向かう言葉を出しても伝わらないのは、やはりシブリールがユリウスに関して分かっていなかったから。