治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
二人の話の内容で、あることを思い出した。
魔術師というのは基本、己が幻想を現実に出現させる者のことをさす。
世界浸食する術は、扱うだけでも至難であり。
第一、人間の幻想が現実に浸食すること自体がおかしいもの。
出すには、基(もと)がいる。
幻想を少しでも現実に近づかせるために、外に己がイメージを声と出す詠唱があり、世界に散らばる元素を集める。
今まで彼が使ったのは世界を構成する物質、四大元素のものたち。
だが、彼に至っては詠唱なしでの精製も出来てしまうことを私は知っている。
一の元素(火)しか扱えないお頭にとっては、魔術師を超えた神様めいているだろうと彼は言ったが。
一つだけ、彼を総称する相応しい呼び名があった。
「だらしのない。魔術師ならば、世界を浸食しろ。現実を壊し、己がイメージを表に出せ。
四大元素、空想元素、創生元素。世界が駄目ならば、次元の物を引き出せ。召喚、精製、魔物の一匹ぐらいこちらに引きずり込んでみせろ、脂肪。
魔術師を名乗るのならば、それぐらい出来るようになれ。話にもならない」