治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
言うのならば、彼はその全てが出来るのだろう。
人間を超えた魔術師。
ならば、魔術師を超えた世界を侵す者の名は――
「魔術師、ちがう……。おまえ、まどう……!魔導師!」
お頭が悲鳴と共に、“彼”を呼んだ。
魔導師。
魔を世界に導き出す災厄。
世を変える力を持つという魔導師は、世界の歴史の変革時に必ずいたと言われていた。
だがしかして、魔術師というカテゴリ自体が劣化しつつある今、あのお頭でも脅威となる時代で彼のような魔導師(存在)はいない。
見たことがない。
本でしか明記されていないような人物が、私の前にいた。
「本当につまらない。久々に魔術師にあったと思ったら、こんなのとはな。後の楽しみと言ったら、せいぜい貴様らをなぶり、殺すぐらいだ」
「っ、ああ……!」
お頭が大きく悲鳴をあげる。
それは仲間たちにも伝わり、お頭の負けは自分たちの死だと感じ取った奴らも口々に命ごいをし始めた。