治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
痛みで倒れながらも、必死に生きたいと。
だが、それでも彼の怒りは収まってないのか。
「ユリウス、悪いが進んでもらえないか。あいつらは、この手でじかに殺したい。
殴り飛ばし、首を締めたいんだ。あいつらは、君を狙った。処刑したい」
私に前に進めと言う人。
私が進めば、この処刑人も進めて。
近づけば、処刑が始まるのだろう。
悪いことをした奴らには報いがある。
私の前にいる奴らは皆、痛い痛いと泣き叫ぶ被害者にも見えるかもしれないが――盗賊という肩書きを持つ奴ら。今まで何人の人がこいつらに泣かされたことか。
あきらかに処罰する意味はある。
彼が処刑したいというのも分かる。
――だけど。
「……、あなたに、彼らを殺す権利はありません」
彼の申し出を拒絶した。