― 君 色 星 ―
「そうでしたか…。アイツが全部しゃべるとは、意外やったなぁ」
少し笑いを浮かべた中村さんは、寂しそうな表情をしていた。
「俺、ホンマにアイツのこと妹やと思て大事にしとったんです」
やっと暖房が効いてきた部屋の中。
中村さんは俺にポツリポツリと香織のことを話し始めた。
「やのに、俺が結婚した途端、急に東京行く、言い始めて。それから俺が話し掛けてもずっとシカトされ続けとったんです」
「はい」
俺はコーヒーを飲みながら、中村さんの話に耳を傾けた。