レイコーン
こんな気分が悪くなるだけの生活を
ずっと続けないといけないと思うと嫌気がマールの胸を突き刺す。

彼は、学校が苦手だ。
いや、社会全体が嫌いなのかもしれない。

学校へと行く理由なんてものは
家にいたら

「ろくな大人になんてなれないぞ」

と、俗説じみた父親に叱られるからにすぎない。

 

早く帰りたい。
彼が授業中唱える、魔法の呪文だ。

 

『キーンコーンカーンコーン』

 

授業に拘束されいる時間も
聞きなれた音と共に終わりを告げた。
 
 
 
授業終了のチャイムがなると同時に
教室は息を吹き返したかのようにざわめきだつ。
 
 
 
ワイワイ、ワイワイ。
 
 
 
つい数分前まで静かだった廊下が騒ぎ出す。
 
 
後はもう帰るだけ。

 
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