レイコーン

扉の向こうにまで聞こえそうな呼吸をしながらそっと声のほうを振り向くとそこにいたのはクロガネルだ。
 
「…はっ…はっ…。」
 
 
声が出ない。
目を離したら何をされるかわからない。
 
 
彼は尋問をするかのように鋭い目でじっとマールを見る。
 
 
「そう威圧するな、セバス。」


そう言われ剣を下ろすセバス。 

 
「すいません。王の部屋はここかなって思って。」
 

やっとの思いで、言葉を口から吐いた。
 
 
「・・・。」
 
 
クロガネルは黙ったままだった。剣をしまう音がするものの
目線はマールの手にある卵を見、その後マールをにらみつけた。
その沈黙がマールに更なるプレッシャーを与える。

すると、扉の奥から聞こえるにこやかで優しい声。
 
 
「おぉ!マールよ。待っておったぞ。ささ入ってくれ。入ってくれ。」
 
 
だが、マールはクロガネルの目が気になって動くに動けない。
 
 
「セバスよ。少し席をはずしてくれるかな?」 
 
  
「ですが。」
 

「セバス。頼む。」

 
「…はい。では、私は部屋にいますので何かあったら呼んでください。」
 
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