憎悪の視線
「典男、やる時はやるじゃない。ずいぶん長かったわ。あなたが浮気して広子を妊娠させたんだから、責任取ってもらうのは当然だけどね」


 百合子は広子が夢で見た通り、鬼、もしくは悪魔のような表情をして云った。


「全くだわ。典男さんのおかげで、私まで占い師の役なんてやらされて。今後、百合子を裏切ることのないようにね」


 占い師、もとい百合子の母親は、溜め息混じりにそう云うと、百合子のお腹を愛しそうに撫でた。


「百合子、お義母さん、本当にすみません。これからは百合子と産まれる子供を大切にして、三人で幸せになります」



 黄金岬の下に広がる海からは、広子の遺体が見つかることはなかった。
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