騎士はキミに恋をする
「起きたか?」
聞き慣れない声が上から降ってきた。
目を向けると、
そこには知らない人が立っていた。
「ええ。」
そっけない返事をした。
「お前、その身の内に飼っているモノは
一体なんだ?」
知らない人がそう言った。
たぶん、あの赤い四足歩行をした、
アレだろうと思った。
でも、名前は知らない。
アレは私に名を名乗らなかった。
「知らない。」
だからまたそっけなく言った。
「何で知らないんだ?
アレは放っておけば、
全てを食らいつくすのに?
そして、お前が
その身の内に飼っているのに?」
声は容赦なく私に降り注いだが、
私はその声を受け流した。
「知らないから、知らないの。」
早くいなくなってほしい。
そんな思いがいくばかあって、
私は両の瞼を閉じながらそう吐き捨てた。