花の魔女
ナーベルはジェイクに言われたことを、頷きながら整理した。
「つまり……春になるまで時間があるのね」
ようやく落ち着いたナーベルにほっとしながらジェイクが頷いた。
「そういうこと。それも、全ての精霊が目覚める日までな。だからお前は早く魔法を身につけろ。そのことだけを考えていればいい」
ジェイクの言葉にナーベルは決意し、大きく首を縦に振った。
「ええ、もちろん」
(春になるまでに、力をつけよう。
そしてラディアンを必ず助けだしてみせるわ)
夜空を見上げ、夜に浮かぶ月に強く誓った。