悪女と良男
「おー!ありがと!
さすが巧じゃん!」
巧が投げたアレとは…限定お菓子。
これがめちゃくちゃうまい。
今は非売品で、どこにも売ってない。
でもこれを作ってる会社は巧のお父さんが経営している。
だからまだ在庫があって。
巧は何かあるとあたしにくれるんだ。
『ホント、コウスケのところ行ったときはこの勝負俺が勝った!って思ったんだけどな』
巧は膝を抱える。
『まさかコウスケをオトすとは…
アイツ、逆ナンされても絶対着いていかないヤツなのに…』
確かに今回は手強かった。
話してる最中もどこか壁でしきられてるような気がしたし。
でも、それでもあたしは屈しない!
『で、お前…コウスケとどうなったんだよ?』
巧はチラッとあたしを見た。
「どうなるもないって。
手繋いで、キスして、バイバイ、みたいな?」