偽りの結婚
どうして私に優しくするの?
私はカモフラージュにすぎないのに…
昨日からラルフは変よ。
距離をおかなければいけないわ……
それから――――――
ニコニコと笑っているモニカとは対照的に、私の心はここにあらず。
朝食を食べる手も進まなかった。
「そう言えば、明日からラルフ様は3日ほど隣国のモルト王国へ行かれるそうですよ」
シェイリーン様も早く風邪を治してラルフ様と訪問出来ると良いですね、というモニカの声はすでに耳に入っていない。
元気のない私を気遣うために言ってくれたのだろうけど、私は別の事を考えていた。
3日間…ラルフと距離をおく良い機会だわ。
しかし、モルト王国という国は聞き覚えがある。
しばらく記憶の断片をたどると、一人の女性が浮かび上がった。