偽りの結婚



どこからそんな自信が出てくるんだろう…と不思議に思った。




「でも……」


そんな信憑性のない発言で納得するはずもなく、頑なに譲ろうとしないとラルフが溜め息を一つ吐く。




「君は本当に頑固だな。本人が大丈夫と言っているのだから大丈夫だ」


自信ありげな顔でこちらを見て微笑んでいる。




その大丈夫の根拠はどこからくるのよ……

こっちは貴方に何かあれば非難を浴びる立場なのに。

少しのリスクも負いたくない私は言い訳をしようとする。





「だって「はい、ストップ。君は窓の多いこの部屋にいたいのかい?」


だって…と続くはずの言葉はラルフによってさえぎられる。

なかなか承諾をしない私にしびれを切らしたのだろう。



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