偽りの結婚



「大丈夫です」


うつむきかけていた頭を上げれば優しい笑顔。




「アリア様は何度も王家の舞踏会にご出席されていますので、きっと良いアドバイスをくださります」


私の胸中を察したのかウィリオットは優しい言葉を投げかけてくれた。




ノルマン家の人は皆温かい。

伯爵令嬢でありながら身分に相応しないドレスを着て、スターン家の厄介者として扱われているのに。

ウィリオットさんをはじめノルマン家の人たちは私をアリアの友人として尊重してくれる。

ノルマン家はもう一つの家族といってよいほどであった。



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