偽りの結婚



「マリナ・コーナーよ。こんなサロンに若い女性が来るのは久しぶりだから嬉しいわ」


マリナ・コーナーと名乗る女性は、令嬢とは思えないほど短い茶髪をしている。

同年代の女性は髪を長くして女らしくしている印象だったため驚いた。

けれど前回グレイク侯爵家に招待されていた令嬢のような刺々しい視線は感じられず、ほっと一安心する。




「こちらこそよろしくお願いします、マリナさん」

「こちらこそよろしく!…って言っても私は他国から来ているから、たまにしか参加できないんだけどね」


舌をちょっと出して笑う姿はとても人懐っこい印象を受けた。





「この国の方ではなかったのですね」


驚いてそう言った私に「そうなの」と笑いながら答えるマリナ。

サロンには様々な人が集まるとは聞いていたけれど、まさか他国から来ている方がいるなんて。

改めてグレイク侯爵夫人の友人関係の広さに驚く。




「シェイリーンさんは?さっきオリビア様が貴方を敬を付けて呼んでいたけど、この国の公爵家の令嬢か何か?」




―――ドキッ…


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