偽りの結婚



「昔からの幼馴染といったところか……。そんなに仲が良いのか?」


なぜベルナルドさんと私の仲を気にするのかしら?

相手に向ける気持ちには敏感の割に、自分に向けられる気持ちには鈍感だった。




「そうね。私って落ちぶれた伯爵家の娘だったからあまり友人がいなくて」


自分で言っていて悲しくなるけれど事実だった。

ハロルドが生きていた頃はそれなりに伯爵家に相応しいような生活をしていて、友人もそれなりにいた。

しかし、ハロルドが亡くなって次第にスターン家が衰退していくと、蜘蛛の子を散らすように友人たちも私から離れていったのだった。

そんな中、ずっとそばにいてくれたのは一人の高貴な女の子。




「近寄ってきて遊んでくれる子はアリアだけだったの。ベルナルドさんも妹のアリアと仲が良い私を気にかけてくれて、よく声を掛けてくれたわ」


アリアは侯爵家という高貴な身分を持ちながら、落ちぶれた伯爵家の令嬢である私を見放さなかったただ唯一の友人だった。


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