偽りの結婚



身分の垣根を越えて、一人の友人として見てくれたアリアにとても感謝している。

そして、アリアの兄ベルナルドもまた私に変わらず接してくれた人の一人だった。





「妹の友人だからというだけではないだろう…」


一層不機嫌そうな顔でぼそっとラルフが呟く。





「え?」

「なんでもない」


あまりにも小さい声だったので聞き逃してしまった。

もう一度言ってほしいという意味を込めて言葉にしてみたが、不機嫌なラルフは答えてくれなかった。




「それで?今はどうなんだ?」

「今はお互い忙しい身だし、昔のように会うことは少なくなったわ。けれど、今も仲は良いわよ。会えばお話もするし、あの舞踏会の日もパートナーがいなかった私の相手をしてくださったのよ?」


舞踏会の夜ベルナルドと踊ったことを思い出し、微笑む。


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