偽りの結婚
行きたいと言ったことで、更に顔をしかめたラルフにどうしていいものか混乱する。
ベルナルドさんについての話題がいけないのかしら…
冷静になって会話をたどってみると、ベルナルドさんの話ばかりに反応していた。
少し考えた後に、言葉を選んで言いなおした。
「ベルナルドさんの誕生日も祝いたいけれど、何よりアリアに会いたいわ。舞踏会以来会っていないし…」
嘘は言っていなかった。
舞踏会の夜から一度もアリアに会っていなかったので、話をしたかったから。
「そうか…パーティーは明日の夜行われるそうだ」
納得いっていないような顔だが、これ以上追及することはやめたらしい。
「分かりました」
知っています…とは言えなかった。
何が理由かはわからないが、ラルフはベルナルドさんを嫌っているようだし。
いつの間にか形勢が逆転し、こちらがラルフの機嫌をうかがっている。
そんないつもと違う空気を感じながら夜は更けていった。