偽りの結婚
「人がいっぱい……」
ホールに入り、目の前に広がるのは大勢の人々。
ベルナルドの誕生日だからか、男性の招待客が目立つ。
ごく少人数で祝っていた誕生パーティーとは色んな意味で雲泥の差があった。
招待されている人々は国のトップクラスであろう人々。
ところどころに置かれているテーブルには豪華な料理の数々。
今までにない雰囲気の誕生パーティーに息を飲んだ。
ホールに足を踏み入れたところで、またもや二人は多くの視線を集める。
自分に向けられる視線に慣れているのか、スタスタと歩くラルフだが、私はどうもこの視線が気になってしょうがなかった。
しかも女性だけでなく男性からの視線も感じる。
ふとその視線をたどると、ニヤニヤと笑っている男性たち。
それは令嬢たちのように嫉妬から来る冷たい視線ではなかったが、何故か気になった。