偽りの結婚
「王宮の書庫はありとあらゆる本がそろっているし、スターン家やノルマン家の書庫の本はもう全部読んでしまっていたでしょう?だから私にとってはとても良い条件だったの」
きっと自分の為に偽りの結婚をしたとアリアが知ったら、自分自身を責めるだろう。
そんな優しい親友のためにも、真実を全て話してしまうことは出来なかった。
「分かったわ。そう言うことにしておきましょう」
きっと納得していない。
そういう顔だった。
「それで…?離婚のご予定はないのかしら?」
ドキッ――――
離婚…それは私にとって胸を刺すような痛みに耐えなければならない言葉だった。
「もうすぐ…だと思うわ……」
ラルフとソフィアのことを思いながら呟く。
その視線は無意識にラルフの方へと向いていた。