偽りの結婚
「それは良いことだわ」
そう…普通なら良いことだと思えるはず。
でも私はラルフを好きになってしまった。
気付いたところでどうにもならないことは分かっているが、胸の苦しさがとどまることを知らない。
「シェイリーンなら次の相手もすぐ見つかるわよ」
「そうね……」
アリアのフォローも生返事で答えてしまう。
そんな私を見て、溜め息を一つこぼすアリア。
そして、何か考えた素振りを見せた後「そういえば…」と口を開く。
「ラルフ王子も隣国のお姫様と復縁したっていう噂があるし、解放されるのは時間の問題ね?」
明るい口調で話しながら、冷静にこちらの様子を窺うアリア。
しかし、私はそれどころではなかった。
「やっぱり…そうなの?」
眉が歪み、瞳が揺らぐ。
私の顔に出た僅かな変化に、アリアは続けて口を開く。