偽りの結婚
「ラルフ王子がモルト王国に行った時も、二人きりで会っていたっていう噂は皆知ってるわよ」
「私もその噂を聞いたわ。多分二人が想い合っているのは確かだと思う」
ラルフとソフィア様の密会は周知のものだったのね。
知らなかったのは私だけ。
「あの二人はお似合いよね。容姿も、身分も、家柄も誰も文句のつけようがないもの」
アリアが言っていることは、誰もが思っているであろうことだった。
けれど、身分の低い私の事を対等に見てくれているアリアから出た言葉だけにショックを受けた。
例えそれが悪気がなかったとしても…
「ラルフ王子の妃は嫉妬の的だから辛かったでしょう?ラルフ王子がソフィア姫と結婚することになれば一件落着じゃない。良かったわね」
淡々と出てくるアリアの言葉が私の胸を抉る。
大好きな親友からもこの淡い想いを否定されているようで苦しかった。